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家族会とボランティア ホームへ




田島 健伸
 タジマ タケノブ

北原脳神経外科病院グループ
ボランティア委員会 副委員長 
理学療法士

平成14年 多摩リハビリテーション学院理学療法学科卒業

特技:落ち込んでも短時間で立ち直る(ように努力する)
趣味:サッカー

自分のつたない言葉を伝えるには・・・まず相手の話を真剣に聞くことが大事ですよね。

 



 こんにちは!理学療法士の田島です。北原リハビリテーション病院で行っている家族ボランティアシステムをご案内するにあたり、よく寄せられるご質問と答えをまとめてみました。はじめてのこころみだから、お互い戸惑いもあり、まだ確立していない部分もあるんですが、最近、患者様やご家族に評判がいいのが僕たちの励みです。どうか読んでみてください。


家族ボランティアってなんですか?

ボランティアなのに必ずやらなくちゃけいけないんですか?

どんなことを、どんなふうに、どれくらいやるんでしょうか?

家族ボランティアはなんのために行うんでしょうか?

患者や家族にとってのメリットは?

病院やスタッフにもいいことがあるの?

大変なこともきっとあるはず・・・実際の経験者の方の話を聞いてみたい!


家族ボランティアってなんですか?

北原リハビリテーション病院に入院される方のご家族が加入する家族会「ゆうあい」の、病院でのボランティア活動およびそのメンバーのことです。

北原脳神経外科病院やその他の急性期病院(倒れてすぐに入院し、手術や点滴を受けた病院)から北原リハビリテーション病院に転院する際、「ゆうあい」への入会が必須条件となり、そのことに同意してくださったご家族に、病院でのさまざまなボランティア活動をお願いしています。

「ゆうあい」入会に当たっては、“脳卒中と後遺症についての解説・病棟での一日の流れ・車椅子の操作・病棟での事故防止のための注意点”などの講習を行い、ご理解を得た上で、入会手続きをして頂いています。

 

ボランティアなのに必ずやらなくちゃけいけないんですか?


大切なご家族が入院されたとき、見舞いに行くのはごく自然な行動ですよね。心配で様子が知りたい、顔を見てもらって元気になってほしい、そう思ってお出かけになるはずです。

見舞いに行けば、リハビリの進み具合・食欲・活気・機嫌などを確認し、スタッフや他の患者さまとのかかわりにも目を止められることでしょう。

その際、単なる声かけに終わるのではなく、ご家族自身も、自ら介護に役立つリハビリの知識・技術を学び車椅子を操作したり、少しでも快適な環境で患者さまが過ごすことができるよう植物の世話をしたりして、“手”を出して頂きたいのです。

また、患者さまが機嫌が悪かったら、その理由をスタッフとともに考え、対策を立ててほしいのです。


つまり、患者さまの“今”を良く知ってもらって、ご家族が自発的に動くという点で、これをボランティアと名付けました。

もちろん、一人暮らしの方やご家族も高齢・病弱な場合などは例外処置がありますが、そうでない場合は、自ら、少しでもできることに手を貸していこうという気持ちが大切だと思うのです。

 

どんなことを、どんなふうに、どれくらいやるんでしょうか?


一家族ひと月15ポイント(1ポイントは1時間)が目安です。

でも、この中にはビデオで医療や病気・病院、薬や食生活について学んでもらったり、家族会の会合への参加の時間も含まれているし、環境ボランティア(庭の掃除やガラス拭き、植物の世話、家で雑巾を5枚縫うと1ポイントなど)、病棟ボランティア(レクリエーション、話し相手、食事補助)など幅広い選択肢が用意されています。

また、リハビリボランティアといって、お身内の患者さまのリハビリに付き添って、病状や回復具合を把握し、介護の実践を学べる時間も含まれているのです。

最初は、なにをやっていいのかわからず、戸惑いを見せる方も他の家族ボランティアの方と交流を深めるうちに、「気がついた時に、できそうなことをやればそれでいいんだ!」と分かってくださるようです。


 

家族ボランティアはなんのために行うんでしょうか?


今から30年前、日本における主要死因別死亡率の第1位は脳卒中でした。現在は癌、心疾患に次いで死亡率では第3位となったものの(死なずに後遺症を残すことが多い)、一般医療費の構成を見ると脳卒中は癌(9%)に次いで2位で、その額は1兆9000億円を超え、高齢者医療費としては約1兆5000億円で第1位を占めています。

また、寝たきりの原因では「脳血管障害」(38.7%)が、2位の「骨粗鬆症・骨折」(13.2%)を大きく引き離しています。現在約173万人と推定される脳卒中の患者数は、2020年には300万人にも達すると予想されています。

つまり、これからの世の中では、財政的に言っても、「歩けないような人はウチじゃあ看れないから、ずっと病院で面倒をみてほしい。。。」などということは余程の大金持ちでもない限り、あり得ないのです。

何らかの障害が残っても、家族やヘルパー、訪問医療スタッフの助けがあれば家で生活できる人は家で暮らすのがご本人にとっても望みでしょう。

そうであれば、早いうちにご家族に“気持ちと知識と技術”の面で準備をしていただきたいのです。この準備の中には介護保険について学び、サービスを選んだり、自宅の改築・改造をしたりも含まれます。

いずれの準備もご家族が、長らく患者さまと離れ、遠い存在となって、いざ迎えに行ってみると「お母さん、なんでこんなことも分からないの?!できないの!」となってからでは遅いのです。温かく迎えたい気持ちはあっても、準備不足のご家庭では結局脳卒中の再発や使わないことによる筋力の低下から寝たきりを招いて、新たな病院探しを余儀なくされます。

北原リハビリテーション病院に入院したその時から、本人・スタッフ・家族が一緒になって自宅退院・自宅生活への道のりを歩むことで、患者さまに喜んでいただきたい。そして医療従事者として、むなしくない医療サービスの提供の仕方をしたくて、ない知恵を絞って考えたのがこのシステムなのです。



患者や家族にとってのメリットは?

■家族ボランティアの方に行ったアンケート 5が最高点 横軸は入院日数

↓今後家族を援助・介助するにあたり技術や知識を深めることができましたか?


■家族ボランティアの方に行ったアンケート 5が最高点 横軸は入院日数

↓病気や障害について家族のみならず他者に対して理解を深めることができましたか?
 

■患者さまに行ったアンケート 5が最高点 横軸は入院日数

↓家族ボランティアを受けてご家族との接点は増えましたか?

■患者さまに行ったアンケート 5が最高点 横軸は入院日数

↓ボランティアを受けて、色々な方と触れ合う機会が増えましたか?

 


上に示したアンケートからも、家族ボランティアを続けていくうちに、介護や病気に対する知識・理解・技術が向上するようすが見て取れます。また、患者さまと家族・ボランティアメンバーとの交流も月を追って深まっていきます。最初は戸惑いがちなご家族も入院後一月経つとゆとりが出て、活動や親交も進んでいくようです。

もうひとつ、北原リハビリテーション病院では大きなメリットを患者さま・ご家族に用意しています。家族ボランティアを導入することの対価として、差額室料をとらないことに決めたのです。このため、他院に比べ自己負担額が最大、月額にして7〜8万円安くなります。

これは、当グループがこの家族ボランティアシステムに大きな夢をかけていることの現われで、みなさまの協力を得て、ぜひ今後の発展へと繋げたいものです。

 

病院やスタッフにもいいことがあるの?


ご家族の方と情報交換することで、リハビリがスムーズに行え、患者さまの人となりの理解も進みます。

両者で患者さまを見守ることで、転倒などの事故を未然に防ぐこともあります。

でも、正直なところ職員の負担は、繰り返される講習や説明、準備や後片付けなどで、けっこう重いです。

このシステムがうまく根付いて、先輩ボランティアの方の自主的な指導や家族会の自主運営が行われるようになると、さらに大きな成果が得られる気がします。



大変なこともきっとあるはず・・・実際の経験者の方の話を聞いてみたい!

 



以下はご主人が入院され、家族ボランティアをなさった大蔵様へのインタビューをまとめたものです。

「2004年12月に主人は脳梗塞と診断され、北原脳神経外科病院に入院となりました。

今まで元気だった主人がまさか言葉も出ず、手足が動かせなくなるなんて思いもしませんでした。すごくショックでした。他の患者様と比べてもすごく重たい状態であることを認識しました。

北原リハビリテーション病院に転院する前の家族ボランティアの印象は勉強できる良いシステムだと感じました。

しかし、実際にボランティアを始めるときはどのようにボランティアをすればよいかわかりましせんでした。そのため、まずは簡単な環境ボランティアから始め、草むしりなどを行ないながら他のボランティアさんから情報を聞き、病棟ボランティアを始めました。

退院間近の患者様は話しやすく、患者様から積極的に話し掛けてくれて、退院後の生活の仕方(一人暮らし)について話をしてくれました。

他にもトランプなどを行い自分の家族が必死になって、動かない手の変わりに口などを使ってトランプする光景が見られました。また、失語の方と接したり、麻痺が利き手・非利き手により動作のスムーズさが違うことが分かったりしました。

ボランティア中に家族のマッサージの仕方や手浴・足浴を習い、面会中でも自分達にできることを行なうようになりました。

ゆうあいでは家族同士が集まる事で他の家族とコミュニケーションを取る機会が増え、お互いの家族の状態や現在の不安などを話したりしました。また、お互いの症状を聞き、実際にボランティア活動を行なって確認することもできました。

家族ボランティアを行うことで実際に他の患者様と接し、自分の家族以外の方にも目が向くようになり、脳卒中患者様の全般的な知識や回復段階などがわかるようになりました。

自分の家族が退院する前の良い予行練習になると思います。」

以下に新しいインタビューをご紹介します。


家族ボランティアに対するインタビュー

実施日:2007/08/10

interviewee:石井有子様(石井昭子様ご長女)
interviewer:MSW中村

Q1 リハビリ病院に入院される際、家族ボランティアの説明を受け、どのように感じられましたか?


母の体のことが心配で仕方なく、同じ系列の病院でリハビリをしてもらえるならと思って、特にボランティアのことを考える余裕もなかったです。転院前に、相談員さんより具体的な説明もあったので、とりあえずやってみようという気持ちで…。

でも、いざ転院してボランティアをすることになるとやっぱり不安で・・慣れない病院で何をやっていいのか分からない状態でした。

Q2 ボランティアをされた当初の印象はいかがでしたか?

最初は不安からのスタートで、「何をしたらいいのか・・」と思い、正直ストレスを感じていたように思います。でも、初日に参加した際に、同じように初回のご家族さんがいて、一緒に始められたので少し気が楽でした。

ボランティアの回数を重ねる毎に徐々に慣れていき、今では家族ボランティアに対する抵抗は全然ありません。自分なりにできることもわかり、ペースがつかめてきました。

Q3 現在はどのようなボランティアをされていらっしゃいますか


面会時間はどうしても母の側についていてあげたいので、私は面会時間外に活動させていただきたいんですよね。

だいたい、朝10時からボランティアを開始して、患者さんの部屋をまわって水筒交換をしたり、ボランティア用の作衣を洗濯したり、窓を拭いたりしています。結構あっという間に時間が経っちゃうんです。今は本当に自分のペースで活動している感じです。

Q4 家族ボランティアをされてどのように感じられていますか


これまで私は事務員として働いていて、ケアワーカーさんのような病院内の仕事のことなんて全く分からなかったし、興味もなかったんですけど、実は今、ケアワーカーやホームヘルパーの資格を取ってみようかなと考えているんです。結構、事務仕事より自分に向いている気がして…。

ボランティアしている時間が楽しいんですよね。もちろん今回の母の影響もありますけど、人の役に立てる仕事っていいなって思うんです。これまでボランティアなんてしたことなかったから分からなかったんですが、ボランティアっていいかもって。


Q5 家族ボランティアをされて良かったと思う事はありますか


母以外の患者さんと色々お話ができることもでそうですが、ボランティアを通じて他のご家族さんと仲良くなれて良かったと思います。今も先に退院されたご家族とメールでやりとりしていて、情報を交換しているんです。退院後の生活ってなかなかイメージできないので、先に退院された方から状況を伺えるとちょっと安心かなって思って。

家族ボランティアをした事で、色々話せるご家族も増えましたし、バスで一緒に帰る時とかずっと話しをしています(笑)


Q6 家族ボランティアで印象に残っていることはありますか?


特に大きな出来事はないですね。私の場合、毎日同じ時間で活動しているせいか、リズムみたいになっていて・・。色々な時間に活動をされる方だともっと色々経験できるのかもしれませんけど。

Q7 家族ボランティアへの要望はありますか


もっと色々な活動が出来るといいと思います。特に院外の活動の種類があるといいかな。今は巾着(薬袋)とか雑巾を作っているんですけど、他にも何か患者さんが使えるものを作れたらって思うんです。一応、手芸とかはできるので、そういう特技を活かしてもっと手伝えたらいいですね。

Q8 今後家族ボランティアをされる方に対してメッセ−ジをお願いします☆


最初はイメージもつきづらいし、一人だと不安だと思います。
ボランティアをする時にはどなたかのご家族と同時にスタートできたら少し安心かもしれません。ひとりでポツンとやるより心強いですよ。

活動をしていくうちに他のご家族と仲良くなり、「次はいつ来る?」って待ち合わせしたり、予約してみるといいかもしれません。私もやりましたし(笑)。他のご家族とボランティア以外にも色々と話題が広がっていきますよ。

きっと自分の趣味とか特技を活かした活動ができるとボランティアもそう大変ではないんじゃないでしょうか。私も最初は不安でしたが、今では苦だとは感じていませんね。


大蔵様、石井様、また写真の掲載を許可していただいた皆様、そして最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

今後とも家族ボランティア「ゆうあい」をよろしくお願いします。     北原リハビリテーション病院のホームページもご覧下さい。


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