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あんこさん@  
     

仕事や家庭、ライフスタイルについて、お話を伺うコーナーです。 あんこ さんに第2弾をお願いしました。

 

今回は妊娠・出産・育児時代のことですね。

 

 あの頃の時間を貯金できていたらいいのに・・・と思ったことがある。

結婚をして、子供を保育園に預けるまでの2年間、私は専業主婦をしていた。結婚当時は大学院を目指す受験生だったが、思いがけずに妊娠。つわりの修羅場と、受験勉強をなんとか乗りきり、幸いにも合格、静かな妊婦生活がやってきた。これが1年目。2年目は、大学院を1年間休学して5月に子供を出産、その後、育児に専念をした。この妊婦時代、出産育児時代が私の唯一の専業主婦時代だった。

 この2年間、厳密には1年半は時間を持て余していた。妊婦時代は、身体を思うように動かせず、結婚したばかりでお金も無く、ショッピングを楽しむこともできず、図書館、テレビ、家の掃除や料理にも、どうもはまりきれない。1週間に1回のボランティア、1ヶ月に1回の診察以外することがない。今でも思い出すのが、日当たりの良いリビングで大きなお腹を抱えて、テレビを見ている姿。月間のマタニティー雑誌「たまごクラブ」の発売日を心待ちにし、出産予定日までの日数を指折り数えていた。いつも16時頃、夕食の買い物に出かけるこの時間になると、やることができてうれしかった。この買い物では、その日の分しか買ってこない。翌日の分も買ってきてしまうと、次の日には買い物に行く必要が無くなってしまうから。口実がないと、身体も動かさない。

 子供を出産した直後は、昼も夜もないあわただしさであったが、しばらくすると育児に追われながらも、その状況に慣れてきた。今度も、子供の検診日以外、スケジュール帳を埋める用事がなく、育児雑誌「ひよこクラブ」の発売日は必ずチェックしていた。子供と一緒にいる喜びや楽しみは大きかったが、反面、来年の4月、大学院へ復学できるその日が待ち遠しというジレンマを抱えていた。

 やっと4月になり大学院へ復学、子供を保育園に預け出すと、にわかに忙しくなってきた。保育園へは、18時までにお迎えに行かなければならない。私の入学した大学院は家から遠く2時間近くかかる。子供を送るのも、迎えに行くのも必死そのもの。自転車のペダルを全力でこぎ、家に帰ると、食事の支度と片付け、翌日の保育園準備、子供の風呂、洗濯物の片付け、そして自分の勉強。保育園へ迎えに行くと、毎日のように立ち話をしているお母さん達を見かけたが、そんな時間も心の余裕もなかった。そして、修士論文にとりかかり眠れぬ日々、卒業して就職、今に至っているが、あの、のんびりとした2年間を思い出す度に、「あの頃に戻りたい」ではなくて、「あの頃の時間を今使うことができたら」と考えるのである。

 今にして思えば、暇は暇なりに、その時を楽しめばよかったんだとも思うのだが、人には向き不向きというのか、好き嫌いというのか、それぞれの性分があるのだろう。私は、いろいろな趣味などを通して余暇を楽しんだり、のんびりとおしゃべりを楽しむ質ではないのだ。結婚前に会社勤めをしていたこともあってか、平日の昼間、毎日、仕事をしないということに、どうも馴染めない。仕事にはまって、仕事をしていることが好きなのだ。だから、専業主婦をしていた時期、時間ばかりあって、何か物足りない、1日が長いと感じてしまった。

 余談だが、私の妹は私とは違うタイプである。彼女は地方公務員として働いているが、手先が器用で、お花、パッチワーク、料理などいろいろとできるし、やっている。そしてスキーはかなりの腕前。この間はフリーマーケットに参加していた。常に、何かをしてエンジョイしている彼女がもし私の専業主婦時代を過ごしたら、もっと違った過ごし方をしただろう。彼女のようなタイプは、時間を貯金することなど考えたことが無いのではないかと、姉は勝手に想像してしまう。つまり、この暇とは私が感じる主観的暇なのである。私は、仕事をしていないとだめだし、仕事と家庭があってこそ、はじめて趣味である読書やテニスを楽しみ、休日をのんびり過ごすことができる。こういうタイプのなのだ。自分でもつまらないなと感じなくもないが、もし専業主婦時代に戻るようなことがあったらと思うとそれは恐ろしい。

 30歳代から40歳代は、子育てと仕事が重なり、だれもかれもが忙しい時期である。さまざまなメディアからは、連日、仕事と家庭、特に子育てについての日本の変化を、そして海外の取り組みが伝えられている。それは少子高齢化という大きな問題を抱えているからでもあるが。日本においても、お父さんの育児休暇取得目標は10%といった具体的目標はあがっているし、強制取得といった手段を講じている会社もあるようだ。これからは、専業主婦なんて言葉や概念が古くなるのかもしれないし、人生において家庭と仕事を明確に切り分けていく考えは、変わっていくかもしれない。できれば、そうなって欲しいと思うが。時間貯金とは、話がずれてしまったので、最後に話を元に戻すと、今、私には、はまっている仕事と、一緒に過ごせる家族がある。この毎日の中からは、貯金するような時間は捻出できず、赤字がでるばかりであるが、なんとかやりくりしている楽しさがある。